こちらは2013年5月頃に雑誌のコラムで書いた原稿です。
「ミャンマー人には内容が難しすぎて理解できない」、「政府批判をしているようで内容が過激だ」という理由で、ミャンマー人スタッフに止められてお蔵入りになったものです。
私としてはそこまで難しく書いたつもりはないのですが、ミャンマーと日本の教育の壁が私の想像よりも厚いと見えた気がしたのでとても良い経験でした。
自由化の代償
2011年、ミャンマーの政権交代が起こり、民主化が進んでいます。
民主主義の名の下、国交は世界に開かれ、国際ビジネスは活性化され始めています。
ビジネスでは経済活動の規制も規制が解かれ始め、まさしくミャンマーは「自由化」の第一歩を踏み出しました。
誰もが喜ぶかようなこの流れですが、この「自由化」という言葉には大きな落とし穴があります。
それは「自由」を与えられる人間には同時に「責任」が生まれると言う事です。
この「責任」というものはあなた達が想像している以上に重いものなのです。
自由に行動していい、ということはその行動を自分自身で決めなければなりません。
さらに問題が発生した場合は自分自身で解決しなければなりません。まさに自己責任となります。
例えば、あなたがスーパーマーケットを始めようとした時、あなたは社長で、好きなように運営する事が出来ます。正にそれはあなたが自由に出来るあなたの王国です。あなたは社長という名の王様になるのです。
しかしながら、それと同時にあなたはその運営に見合った資本(Capital)を自分で調達し、商品の仕入れ、従業員の給料や建物の家賃、光熱費など総ての経費を払う必要があります。仕入れた商品が不良品で売る事が出来ないかもしれません。雇った従業員があなたの方針に反発して、辞めていくかもしれません。地価の高騰で建物の家賃が急騰するかもしれません。お客さんが思う様に来ないかもしれません。最悪、運営に失敗してスーパーマーケットが潰れてしまうかもしれません。
こういった不安を抱えながら、あなたは「責任」を持って全ての問題を解決していく必要があるのです。
当然、あなたはそれを解決する為に、対価を支払う必要があります。その対価はお金であったり、時間であったり、労働であったり状況によって変わります。あなたに問題を解決する力が無ければ、あなたのビジネスはそこで終了してしますのです。
日本には昔、「武士(Bushi)、侍(Samurai)」という戦士がいました。
彼らはとても強く勇敢で誇り高い人々でした。
しかし、日本でも1868年に民主化になり、自由化の波が押し寄せた結果、武士は廃業となりました。これを明治維新と言います。(Maiji Restoration)
武士は貯めていたお金を使って、ビジネスを始めますが、彼らは今まで戦う事でお金を貰って来た人達です。威張ってばかりで、当然ビジネスは上手くありませんでした。
大半の武士たちは元々の商人たちに負けて、ビジネスを失敗してしまうのです。
そこで日本ではこの様に商売が下手な人間がビジネスをすることを「武士の商法(Bushi of Business)」というようになりました。
つまり、「自由」を得るにはその「自由」を有効活用できるだけの知識、そして能力が不可欠なのです。
世界では18世紀から20世紀の間と比べ、殺戮兵器による戦争は少なくなりました。
しかし、今、正に世界は兵器に代わり、お金で「経済戦争」をしているのです。
世界では貧富の差が目に見えて明らかになっています。
これは欧米諸国や日本などの先進国がこの経済戦争に勝利していた事に他なりません。
彼らは兵器を置き、ペンを持ち、お金の流れをコントロールするようになったのです。
そして、今ミャンマーも民主化により、その経済戦争の中に飛び込もうとしています。
そこで戦うには銃では無く、知識が必要です。つまり教育が最大の武器になるのです。
私はヤンゴン学院で、その経済戦争で生き延びる術を教えていきたいと考えています。
日本がなぜ経済戦争に勝利する事が出来たのか。ミャンマーがこれから勝利するにはどうすればいいのか。私が直接教えます。
興味があれば私のセミナーをぜひ聞きに来て下さい。
お待ちしております。
ヤンゴン学院